コラム

女性が働きやすい会社で働く男性社員と独身社員は地獄。

にじのあめこです。

私は、「女性が働きやすい会社」で子育て社員として働いていた。

正直言うと、女性が働きやすい会社は、男性社員と独身社員には地雷である。

以前、こんなツイートを見かけた。

「ワーママと仕事してるけど、子供の風邪だなんだですぐ休むし早退する。
 そのたびに私がプライベート削って残業。
 ワーママの夫の会社、私にフリーライド(ただ乗り)するな」

子ども熱を出すし、その際は親が看護しないといけない。

その時に仕事を切り上げて帰宅して子供を迎えに行って看病。
多くはそのイレギュラー対応を妻側が担っているんだよな。

女性社員の雇用を継続するために、女性社員が多い会社は女性が働きやすい環境づくりに精を出す。

育休3年取れます!
時短12歳までOK!
残業免除!
女性が多いので、過程の急な対応でも理解がある!!
そんな職場には結婚、出産願望がある女性が多く集まってくる。

子育て社員が働きやすい環境整備を進めている前職場は確かに助かることが多かった。

しかし、その代わりに男性社員と子育てしていない女性社員は地獄を見ていたような気がする。

前職場は、22時までの残業が基本で、休日出勤する社員も多くいた。
9時~22時がデフォルトの業務量の為、そこへ子育て中のワーママが発生するとどうなるか。

ワーママが担当できない17時~22時の分の仕事は同じチームの男性社員か子なし社員が受け持つことになる。
結果、男性社員と、子なし社員はどんどん辞めていった。
ワーママだって、楽にあっけらかんと仕事していたわけではない。

余裕がないチームメンバーに申し訳なさを感じながら
自分の上がらない給与
少ないボーナス
時短でも終わらない、終わりが見えない仕事。
いろんな葛藤を抱えながら苦しい気持ちで働いていた。

そして家では子供たちと葛藤の日々。

それに比べると、夫の職場はどうだろうか。

私の夫の職場はバリバリの営業。
女性は少なく、男性社員が多い。
また、特に女性が働きやすい職場ではないらしく、結婚すると女性社員は退職していく。

夫の会社も、長時間労働が基本となっており、朝は6時台に家を出て、帰りは23時を過ぎる。

そんな中で、子どもの熱が出れば1番に連絡がくるのは私の職場。
私が仕事を切り上げ、同僚に頭を下げて帰宅していた。

夫が早退して迎えに行ったことは、私が入院した時くらいだろう。

これが、夫の会社のフリーライドだ。

夫の会社は、平日は17時間もの間、夫を拘束して、その間の子育ては妻である私にやらせているのだ。

この書き方は、少し過激かもしれない。
そして、妻である私が子育てのために時短にした分、看病で早退した分の負担は、私のチームの同僚にフォローさせている。
ここで、妻が周りに負担をかけないよう、業務を完遂しないのが悪い、という指摘は置いておく。
なぜなら、職種によっては対応が全く異なるから。
業務内容が「イラストを描く」だったらその人しかできないかもしれないが、「事務所で電話番」「接客業」「商談」などは別の人員に頼まざるを得ない。

妻の会社は女性を雇用することで、産休育休の一時的な人員減に対応するリスクを背負うし、子育てに関わる仕事の調整を測らねばならないリスクをかかえている。
それに対し、夫の会社はノーリスクだ。

なぜならそもそも社員は男性ばかりだし、女性が働きやすい制度とか整備する気はさらさらないから。
女性が働きやすい会社にしなくても会社はまわっていくから。
そして女性が働きやすい会社にしなければそもそも女性からの応募は来ないし、男性が働きやすい職場にしていればいいから。

私はなぜこんなに子供を持つ女性が働きにくいのか、ということを考える時にいつもたどり着く結論がある。

それは、子育てしている人だけを助ける会社にしても余り意味がないということ。
社員全員を対象に働き方改革をしないといけないし、何なら社会全体が変わらないといけないと思う。

みんなが9時~16時までの仕事で、特別な理由がなくても休むことができる国だったらここまで大変じゃないんだよ。
そして、それを実現するには、「お客さま」が変わらないといけない。

納期厳守、ルール徹底、過剰サービス

顧客満足を徹底するために、社会はけっこがんじがらめになっていると思う。

自分が客としてなにかサービスを受けたり購入したりする際、そこに過剰なサービスを求めすぎないようにしている。

顧客満足を徹底しようとするあまり、他人にも自分にも厳しい社会が出来上がってしまっている。

少し話はそれたけど、「女性が働きやすい会社」は地雷。

女性が働きやすい会社にいながら、ワーキングマザーの尻拭いで憤った際に向ける矛先は、ワーママでも子供でもワーママの夫でもない。
社会なんだと思う。

そんな女性や育児中の社員だけ優遇せず、全社員が健康で文化的な生活(日が暮れる前に帰宅できる)を目指した会社がどんどんでてくるだろう。
そう期待したい。

なぜなら、女性だけを優遇しても、優秀な男性社員は集まらなくなっていくはず。
これからの男性はジェンダーレスの社会を生きてきている。
「男性は仕事、女性は家庭」という考え方は、30年もすれば驚くほど古典的になっているだろう。

「妻が出産のときに休めない会社など入りたくありません」
そういう優秀な男性は必ず増えてくる。

すると人員不足にあえぐ会社は、変わらざるを得ない。

私のこのたわごともそういう変化を起こす嵐のうちの一粒の砂になれるだろうか。

ひとりひとりが考え、行動し、発言することで、

健康で文化的に社員を雇用する会社が増えることで社会が変わっていくと、そう思っている。

POSTED COMMENT

  1. より:

    一般職についてはあまりよく分かりませんが、私の職場(特養)ではいわゆる「ワーママ」ほど恐ろしいものはないです。

    ワーママがいたところで人員不足なのに、急に休まれて1人で2倍の入居者を看ることになる。
    週に2回しかないお風呂ですら人員不足のせいで入れない入居者もいれば、お昼直前でやっと朝食にありつける入居者もいます。

    ちゃんと来れないなら仕事するなよ、って思ってしまいますね。
    その癖意見だけは偉そうに言う。
    人手不足だからって手を抜いちゃいけないこともあるでしょ!と言われると、じゃあてめえが休むなよって思います。

    とはいえ、私も新婚でこれから妊娠出産する予定ではいます。
    そうなった時に同じように職場に迷惑をかけるくらいなら辞めようと思います。

    仰る通り産休育休時短は、それらの制度を使っていない人間にしわ寄せが行きます。
    何で働けない体になった人間に給料を払い、完全にワーママの都合であるのに「みんなで助け合い」しなければならないのか。

    それが妊娠出産でなくとも、まともに働けないなら辞める。
    迷惑をかけるなら辞める。
    それが真理だと私は思います。

    • nijinoameko より:

      福祉や医療の現場における、スタッフの急な欠勤は命に関わりますよね。
      本当に大変ですね。大事な仕事だと思います。お疲れ様です。。。
      特養は常に人手不足とのこと、人材確保は行政の課題だと感じます。
      私は事務職でしたし、誰もがいつかは社会的弱者になり得るので「迷惑をかけるなら辞める」が正解だとは思いません。
      女性だけでなく、母親だけでなく、みんなが働きやすい社会になってほしいと思います。

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