鬼滅の刃、本当に大人気ですね。
現状私は当該アニメがちょっと苦手であり、正直子供に見せたくないな、と思っています。
(2020年6月現在)
ですので、鬼滅の刃がお好きな方はこれ以降お読みになる必要はないかもしれません。
自分が好きなものを「ここが苦手~」とか言われたら気分悪くなることもあるでしょうし。
よろしくお願いいたします。
さて、鬼滅の刃、とても話題になっており、身近な人たちもみんな観ているので、私も興味を持っていました。
アニメも漫画も人気であり、単行本は発売のたびに書店で売り切れるほど。
ヒット作が生まれにくいこのご時世で、本当に素晴らしいですね。
そして、ネットフリックスで配信されていましたので、夫とアニメを観てみたのですよ。
観た後に、ザワザワしてしまって、心が落ち着かない。
どうして?
5~6歳の子もハマっているらしいし、日本中で大人気なアニメなのに、なんで私は楽しめないんだ?
と、複雑な気持ちを抱えていました。
そして今日、コンビニで「鬼滅の刃パン」を見かけ、「ああ、やっぱり嫌だな」と思いました。
ようやく「ああ、私はこのアニメは苦手だ」と認めることができたので、残しておこうと思います。
アニメの残酷な描写
私が鬼滅の刃をどこまで知っているかと言うと、アニメを観ました。
手鬼を倒し、鬼滅隊となり、初仕事として16歳の女の子が消えてしまう街へ行くところまで見ました。
まず1話目から残酷…。
家族が惨殺されるシーン、その描写というか、惨状もぼかされていなく、具体的に描かれており、大変ショッキングでした。
「え…、これ子供みていいやつ…?」私は夫と顔を見合わせつつ、視聴をすすめました。
(まあ、1話目だし、インパクトが強いのは当然なのかも。
進撃の巨人も1巻の残酷さはすごかったしな。)
と思い、見進めていったら、炭治郎が初めて鬼を殺すときの描写も残酷でしたね。
旅の途中で、血の匂いを感じたどっていくと、そこには惨殺された見知らぬ一家。
その鬼を倒す際、「鬼の頭、再生できなくなるほどこの石でつぶさないといけないのか…?」と炭治郎が迷うシーン。
ものすごくショッキングでした。
鬼の思考が怖い
鬼滅の刃は、鬼の思考か怖い。
私が見ることができた鬼は手鬼と沼鬼くらいなのですが、鬼たちの思考が怖い。
手鬼は「自分を捕まえた敵である鱗滝の教え子は全員殺す、あいつが持たせたお守りは目印だったんだ」(うろおぼえ)というようなセリフがありました。
また、弟子たちを殺した時の話を嬉しそうにする様子など、ぞわぞわしてしまうのですよね…。
もちろん、鬼の思考や行動は、あえて常軌をいっした、とても人間らしさなど垣間見えないようにキャラづくりがされているのだろうな、と思います。
しかし、私自身が観てぞっとしましたし、これを見ている幼い子供たちは、どんなふうに感じているのだろうか…と思ってしまいました。
どうなんだろう、子供たちは「世の中には常軌を逸した考え方をするモノもいる」という、知恵を得られるんだろうか。
「鬼がでるよ!」という子供への脅しのように、「怯え」や「恐怖」を感じることで冒険心や無鉄砲へブレーキを掛けられるようになるんだろうか。
悪影響なのか、そうでないのかはわからないけれど、私にとっては「鬼の思考」がめちゃくちゃ怖かった。
大量殺人犯の手記を見ているような気持ち。
あと「16歳の女の子が一番おいしい」みたいな、沼鬼によるセクハラおやじみたいなセリフも拒否反応がでた。
妖怪系、生贄系の作品で「16歳の娘」ってよく出てくるんだけど、もうお腹いっぱいだし現実世界のセクハラや性的虐待と重なってしまって無理だ~~~~。
ねずこの設定がフェミニストの視点で見るとキツイ
私は、女性が生きにくい社会が、どう形成されてきたのか、最近になって関心を持つようになってきました。
同時に、アニメや漫画などメディアで流れているキャラクターが、どれだけ社会に影響するのかも、実感し始めています。
いわゆる、フェミニスト目覚めたてという状況なのですが、その感覚だとねずこのビジュアルと設定がアンテナにビシビシ引っかかってしまう。
一番はさるぐつわをかまされていること。
「美しい少女が竹をかまされて、口を開くことができない」
「人を襲わないため」「鬼だから」という設定とかね、いろいろあるとは思うんですが、このビジュアルがすでに私にはキツイ。
美人で幼い女の子が、奴隷のようにさるぐつわをかまされている状態。
さらに「しゃべらない」。
めちゃくちゃ誰かさんの理想じゃん…。
「女は許可なくしゃべるな」「女のおしゃべりは、はしたない」なんて、何百年も言われてきた。
そうやってずっと女性はモノとして、便利な道具として消費され、黙らせられてきたということを知った今。
ねずこのビジュアルは到底受け入れられるものではなかったのです。
鬼滅の刃もねずこも大人気なので、コスプレする女児もたくさん出てくるわけじゃないですか。
喜んでさるぐつわをつけ、籠に入っている女児、私は見てられないんですよ…。
本人たちは楽しんでいるだけだし、コスプレが悪いことだとは言いませんが、見ているのは嫌な気持ちになってしまう。
私の色眼鏡で見ると、すでに虐げられている人(女性)が、虐げられているコスプレを、知らずにして、喜んでいるように見えてしまう。
今日、鬼滅の刃のパンを見て思ったのです。
このパンを、もし娘が喜んで買ってくわえ、ねずこの真似したらちょっと嫌だなぁって思いました。
海外のフェミニストから、ねずこのビジュアルはどんな風にみえているんだろう。
ねずこは14歳の美少女で、弟の面倒をよく見るいい子。
けなげで家族思い。
着物をねだることもしない。
弟の面倒を献身的に見ていて、物分かりが良い。
図々しいところはみじんもない…という、ちょっと昔の、「理想の女の子」を詰め込んだみたいな設定。
さらに戦闘時は、はだけた着物から美脚を出しまくるし、なんなら成人女性にもなっちゃうらしいというところも「ああ、令和になっても、少年ジャンプのヒロインはこうなのだ…」という絶望感を覚えました。
「あのさ、年号令和に変わったんだよぉぉぉ」と思う(舞台は大正時代だけど)
ただ、私が知る少年ジャンプは「恋愛、おっぱい、のぞき、パンチラ」のオンパレードだったので、ねずこが巨乳でなく、パンチラもなく、ラッキースケベもなかったのはほっとしました。
また、兄妹愛を軸にしている点も好きです。
強くなっていくのは炭治郎だけでなくねずこも一緒で、「守られるだけの存在ではない」という点はとてもいいなと感じます。
現時点では私の好みの問題
そう、現時点では、私の好みの問題です。
「鬼滅の刃」に対して、こう感じたよ~っていう感想。
感想だし、ひっそりとブログでつぶやいているだけなので、鬼滅ファンの方は、私をほおっておいてください。
あまりに人気で、幼い子供たちに人気がゆえに、いろいろモヤってしまったのでした。
もし鬼滅がここまで人気にならずに、いち漫画であれば、ここまで私もモヤモヤ吐露しなかったと思うのです。
「ちょっと残酷で、ねずこ虐げがひどいからフェミアンテナにひっかかるけど、面白いアニメよね~」くらいに思っていただろうな。
老若男女楽しんでいて、もはや令和の代表作なのでは、という勢いで広まり、ねずこの竹がコンビニのパンにまでなっていたから、いろいろ思ってしまった。
いいアニメ(漫画)だと思うけど、これを国民的アニメにしてよいの?
みんなが好きなものに「いや、私はあんまり」と言うのは怖いね。
でも思うのは自由。私が「うーん」と思うのも自由、ほかの人が「最高のアニメなのに!」と言うのも自由。
ただ、やっぱりあの残酷な描写も多いアニメを幼児から大人まで熱狂して観ていて、女児がさるぐつわのコスプレして喜んでるのは「異様な光景だ」と私は感じたのでした。
私、鬼滅の刃のアニメ、最後まで観られるかなぁ。
嫌いってわけではなく、半分くらいは楽しんでみているんだよ。
でも「これからの時代を担う子供が観て、その心にどんな影響があるんだろうか」を考えると、なんか、のんきに楽しんでいられなくなっちゃう。
おまけ
そして、進撃の巨人はもう10年以上前に連載が始まっているわけで、アニメ主題歌は紅白になるほど人気。
その衝撃的な「人間を食う」というシーンはセンセーショナルだったんだけど、進撃の巨人に感じる衝撃と、鬼滅の刃に感じる違和感はちょっと性質が違うんだ。
進撃の巨人は、幼児がみるようなブームにはならなかったしね。
この辺がまだ、私は言語化できないんだけど、少しずつほどいて考えていけたらいいなと思います。
追記(2020年10月)
鬼滅の刃、全部アニメ観ました。
鼓の鬼が出てくるあたりから一気に面白くなりますね。
で、結論から言うと我が家の子ども達も、観ています。
「怖いところは飛ばして~」と言われるので飛ばしつつ観てます。
大ブームですので、鬼滅の刃コラボのお菓子は欲しがりますし、私も買います。
わが家も漏れなくハマった。
面白いし、いいアニメだと思います。
煉獄さんの映画が公開になってからは、より大きな社会現象になっている。
でも…
私の感覚としては「やはり13歳以上、早くても10歳以上の人が観る作品」だと思います。
なので全年齢の子供たちが興味を持つような、現状のプロモーションのやり方には、やはり反対です。
うちの未就学な娘も、もれなく丸いものを加えて「ん~!ん~!」とねずこの真似をするようになりました。
超複雑な気持ち…。
鬼滅の刃、いい作品だし、私も楽しませてもらっています。
しかし、やっぱり10歳以下の多くの子供達が観るのはう~~~ん…と感じます。